(旧 「防水屋台村」建設中)
RNY366 防水は「使用者目線」に大きくシフト
第9回 防水シンポ で最新の取り組みを紹介

寿命予測、防水コンサル、厚み基準の塗膜防水施工、
豪雨多発時代の改修ドレン、時代に即したJASS8のあり方、など

山田主査 DSC01075
趣旨説明を行う防水工事運営委員会山田人司主査。


2017年10 月4日(水)10:00~17:00 、建築会館ホールを会場に(東京都港区芝 5-26-20)で第9回 防水シンポジウム「建築防水分野における新たな取り組み」が開催され、開始時点でほぼ満席となった。主催は日本建築学会材料施工委員会防水工事運営委員会で、傘下の委員会活動成果の中から最新の7つのテーマについてその活動内容を発表、活発な意見交換を行った。

司会 
司会の 梶田秀幸(前田建設工業)・古賀純子(国土技術政策総合研究所)氏

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当日のプログラムは次の通り。(敬称略)
(1)シーリング材の耐疲労性、接着性評価の最新動向と寿命予測宮内博之(建築研究所)、小野正(マサル)、山下浩平(カネカ)、八田泰志(セメダイン)
(2)ファサードデザインを支える構造シーラント  松尾隆士(清水建設)、岩崎功(信越化学工業)、石井久史(LIXIL)
(3)JASS8 のあり方と次期改定の方向性  岡本肇(竹中工務店)
(4)豪雨多発時代の屋上排水 竹本喜昭(清水建設)、金崎俊造(鹿島建設)、石川文和(カネソウ)
(5)わが国における防水コンサルタントの職能とありかた 田中享二(東京工業大学)、宮内博之(建築研究所)、山宮輝夫(大成建設)、堀長生(住ベシート防水)
(6)ウレタン系塗膜防水層における美観上のふくれの認識評価 石原沙織(千葉工業大学)、古澤洋祐(AGC ポリマー建材)
(7)塗膜厚さを基としたウレタン防水層の仕様書と施工 山宮輝夫(大成建設)、竹本喜昭(清水建設)、渡辺光(レオン工業)

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近年,防水技術は「雨水と地下水を建築物に入れないための技術」と捉えられるだけでなく漏水を防ぐだけではなく、建築物の長寿命化や環境問題への貢献が求められ、、高耐久性、品質の確保、施工性の向上、維持 管理、省エネルギー対策なども喫緊の課題となっている。 9 回目となる防水シンポジウムでは、防水工事運営委員会傘下 の最新の委員会活動成果の中から7つのテーマについてその活動内容を公開し、活発な意見交換を行うのが目的。

今回のシンポジウムで、目に付いたのは、「ユーザー目線」、という意識の高まりである。これまでそうした発言は一部の研究者や、工事店に限られていたが、今回の7テーマの発表の中にいくつも、「ユーザーの立場」、「住人にしてみれば」の発言や提案があった。

例えば
「実建物外壁における目地シーリングの余寿命診断技法に関する一提案」では、建物の寿命と人の寿命・余命との対比、業界側の10年、12年といった大規模修繕雄目安に対して、ユーザー側は「まだ大丈夫そうなのになあ~」と感じる。そうしたギャップをどう埋めるか、また余寿命診断方法などを提案した。

「JASS8のあり方と次期改定の方向性」では、本文と指針の分冊化、記述の構成(節立て)を防水材料による分類(アスファルト・シート・ウレタンなど)から、部位による節立て(陸屋根・外壁・室内など)、形状による節立て(面防水工事・目地防水工事など)、形状・施工法による節立てなどを検討している。

「豪雨多発時代の屋上排水」では、改修工事における改修ドレンの使用が、現在の排水設計の枠外にあるため、、将来屋上からの排水に関して不具合の生じることを指摘。改修時の排水能力低下を考慮した設計、ドレンの追加、オーバーフロー管の追加などを提案している。

「我が国における防水コンサルタントの職能のあり方」では、漏水事故の責任をあえて追及すると設計者に起因するものが多い。しかし受注環境、建築はもちろん防水の多様化を考慮すれば、一設計者に高度な防水設計・監理能力を期待することは酷であろう。今後防水コンサルタントという職能を確立するためには①漏水に対して責任の所在を明らかにする風土を育てる②防水設計者にも補償のための経済的裏付けを与える保険制度の仕組み造り③厳しい試験と経験実績を基にした資格制度創り、などを提案、また北米での防水コンサルの実態、30問の試験問題などを紹介した。

「塗膜暑さを基としたウレタン防水層仕様書と施工」
では、防水材使用量を単位面積当たりの重量で表示する現在の方法は、作る側の理論としては合理的だが、実際には膜厚不足の防水層が作られることが多い。メーカ―、ゼネコン、工事店、ユーザーの立場から、それぞれが納得できるあり方を検討し、厚さを基にした仕様書を提案した。


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