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(旧 「防水屋台村」建設中)
草葺き屋根と建築再生
はたすすき 雄花逆葺き 黒木もて 造れる室は 萬代までも

20150929-2[1]

茅葺き・民家研究の第一人者である筑波大学安藤邦廣名誉教授に「建築再生の展示会で茅葺きに関してパネル展示するとしたら、何がいいでしょう?」と相談した。その時「この言葉を大きく書いて、貼っておけばいいね」と言われた。


歌の意味を尋ねると「万葉集に収められた歌で、「はたすすき」と「雄花」はいずれもススキのことである。「黒木」とは皮付きの丸太のことで、「逆葺き」は茅の穂先を下に向けた葺き方である。耐久性には乏しいが、施工が容易で、薄く葺いても雨漏りしにくいのが特徴。 丸太を骨組みにして屋根にはススキを逆葺きにしたような素朴な小屋を好ましいものとして歌ったと思う」 とおっしゃる。「焼き畑で始まった縄文時代の農耕は、稲作の伝来と耕作方法の改良につれ、ススキやヨシなどの草原が、生活を支える里山として拡大する。農耕における草の利用は家の屋根を葺くことで加速する。刈った草を屋根に葺き、囲炉裏のすすを吸った古茅を肥料とするという草の循環が成立するのです」と教えていただいた。

屋根に葺かれた草は、雨仕舞だけでなく大事な大事な肥料生産工場にもなっているわけだ。
さらに屋根部材としての循環として
「茅葺き屋根で最も傷みやすいのは棟で、北側も持ちが悪い。材料調達の点から、茅葺屋根の吹き替えは分割して行うことが多い。傷みのひどい部分のみを挿し茅で差し替え、全体として部材が少しずつ新陳代謝する仕組みになっている」。 という視点も指摘された。

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