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(旧 「防水屋台村」建設中)
100年以上前の防水層遺産が危機に
旧前田侯爵邸(懐徳館)西洋館の遺構4

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このレンガの塊は平成6年に東大総合研究資料館の増築に伴う発掘調査で発見された、旧前田侯爵邸(懐徳館)西洋館の基礎の一部で、玄関脇の地下 1階の小室部分にあたる。最下の捨コンクリートの上に煉瓦がしっかりと積に上げられ、中ほどにアスファルトの防水層が見られる。
かつて東大赤門を入ってすぐ右手に置かれていたのだが、現在は2007年に新設された本郷3丁目駅寄りの懐徳門の一部となっている。
 

この地区は旧加賀藩主前田侯爵家の敷地であった。当主前田利嗣は明治天皇行幸のために屋敷・庭園の整備を企画し、明治40年に西洋館が竣工した。ルネサンス風のデザインで地上2階、地下1階の大規模な建築であった。大正12年の関東大震災の後、建物と庭園は東京大学の迎賓施設「懐徳館」となったが、昭和20年3月10日の東京大空襲で炎上し、取り壊された。重厚で頑丈な基礎は、かつての優れた西洋館姿を偲ばせるわずかな遺物である。(案内板より)


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建築史的に重要なのはもちろん、防水業界にとっては極めて貴重な「もの」である。壁面のアスファルト層は雨ざらしのため、剥落が急速に進んでいる。105年前の防水層が、間近で観察できる稀な例であるからだ。早急な保存策が検討されるべきだろう。

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防水層はまだ柔軟性を維持している。

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壁面のアスファルト塗膜はどんどん剥落

写真中央部レンガ積みの中央部水平にアスファルト防水層が残存しており、まだ柔軟性を保っている。左壁面にはアスファルトが塗られていたが、かなりはげ落ちている。


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防水の歴史を探る*「ルーフネット」は日本の世界の防水に関する記録の初見を求めて日本書紀や聖書などを調べています。「日本の防水歴史研究会