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(旧 「防水屋台村」建設中)
中古住宅流通活性化の後押し とは
太田国交大臣が中古住宅流通活性化の後押し
についてこんな発言をしています

2013oct19 Samstag
屋上緑化の哲人・「F.百水」の作品(記事とは関係がありません)

10月18日の9:40から閣議室前で行われた太田昭宏 大臣との記者会見の要旨が発表された。その中で、
「中古住宅市場の活性化に向けて、国交省としてどんな後押しをするのか」
という記者からの、質問に対して、
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(答)新築あるいは中古市場の活性化ということは、極めて重要な問題だと思っております。欧米に比べて流通量が大幅に少ないという状況がありまして、特に木造家屋については中古住宅の取引において過小に評価されるということがあって、中々この中古市場の活性化が出来ないという面もあったりします。これをこれから金融市場との連携強化も大事でありますので、金融機関と不動産、そしてリフォーム関係の事業者の代表が一堂に会する「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル」を9月26日に設置して検討を開始したということであります。とにかく中古市場の活性化、そしてそこには安全の耐震化というものが施されていることが極めて重要な課題でありますので、質の面も含めて更に活性化できるように対策に乗り出していきたいと思っているところです。

と答えている。*アンダーラインは編集部。

中古住宅市場活性化ラウンドテーブル
上記のラウンドテーブルは9月26日に行われた、その概要も公開されている。参加した中古住宅市場関係者からでた意見は次のとおり。

○全国宅地建物取引業協会連合会
・中古住宅流通の促進のためには、売却価格が住宅ローン残高を下回る場合を含め、買換えを促進するような住宅ローンのあり方が必要。印鑑証明などの手続き緩和、親族間取引に対する融資なども課題。
・さらに、①安心して購入できる仕組み(瑕疵保険、評価、融資の円滑化等)の構築 ②維持保全の大切さや、履歴を保存することにはメリットがあるという考え方の普及 ③消費者を動かすインセンティブ(流通課税の軽減など)が中古住宅流通の促進には大切。

○優良ストック住宅推進協議会
・日本の中古住宅の問題は購入者がなにも分からないまま購入しなくてはならない現状にある。安心して買えない物の市場が拡大するわけがない。せっかく購入した自宅の建物価値が 20 年でゼロになってしまうことの恐ろしさを知るべき。
・適切な維持管理プログラムを実施した上で、住宅履歴を蓄積し、適切な査定方法による仲介をすれば、中古住宅には適正な値段がつくことを自分たちは 5 年間の活動で裏付けた。一般の中古住宅市場において、誰がどのようにそれをやるのかを見出していく必要がある。
・耐用年数はメンテナンス次第で大きく変わる。したがって、査定方法を見直すだけでは不十分。自宅をメンテナンスするのが当たり前だという感覚になれば国全体が豊かになる。これをどう広めていくのかがこのラウンドテーブルの大きな課題ではないか。

○リノベーション住宅推進協議会
・買取再販の業態では、中堅~大手は銀行から必要な資金を調達できるが、地方などでは物件の担保評価額がリフォームによる価値の増大を反映できないため、事業資金融資が得られない場合がある。また、取得段階とエンドユーザーへの売却段階の2段階で課税される流通課税(登録免許税、不動産取得税)も課題。
・事業者・購入者とも非常にインセンティブが少ない状況の中でコストをかけなければならず、結果として新築より割高になってしまうという大きな問題点がある。中古住宅を再生する事業者および購入者に対しては、新築以上のインセンティブを与えるぐらいでもいいのではないか。
・中古マンションを仲介して、リノベーションを行う場合は、割賦販売法に抵触することを恐れ、取得とリフォームの2段階での融資が受けられない。リノベーション部分は自己資金で手当てしなければならなくなり、特に物件価格が相対的に低い地方において阻害要因になっている。

○全国銀行協会
・中古住宅の評価の適正化や中古住宅の質に対する不安の解消が行われれば金融機関は、より一般化され中長期的に活用可能な指標・基準に基づく評価が可能となり、当該評価に基づく融資が可能になると期待。
・リバースモーゲージの普及には、認知度の向上に加え、担保割れリスクへの十分な対応、建物部分の資産価値の向上、債権管理負担の軽減の3つの課題を解決するための環境・態勢整備が必要。

○(株)金融財政総合研究所
・ライフスタイルの変化によって一つの物件に長期間住む人が減少しつつあるという現状を踏まえ、金融機関等の有志で行っている「新型住宅ローン研究会」において、5年後の物件価値を前提にした残価設定型住宅ローン等を検討。また、高齢者が保有する住宅の資産価値を活用した、リバースモーゲージなどの住宅資産活用型ローン等を検討。
・現在、都市部のマンション等のデータを基に、賃料収入予測をベースとした DCF 法による「将来価値予測モデル」として適用できるか否か分析を実施中である。新しい担保評価のベースになる可能性もあり、今後は、戸建住宅の評価に適用できるように検討を進めている段階。

○日本不動産鑑定士協会連合会
・現在、独自のデータと各種データベースの活用により、既存住宅の建物評価システムの開発を鑑定士協会連合会で検討中。また、宅建業者等との事業者間連携の取組を通じ、中部圏などで評価モデルを活用中。
・買い手にとっての物件の安心感付与や金融機関の融資調査に活用できるよう、重要事項説明書、建物診断、それを前提とした住宅価格評価、修繕積立金等の情報を集めた「住宅ファイル制度」を創設・普及させることを提案したい。




住宅のトラブルのトップは常に雨漏り関係が占める。コンクリート構造物では宿命的に避けられないひび割れから侵入する水を防ぐことが、建物の耐久性向上に欠かせないことは、学界では周知の事実だ。どんな防水がなされたかということは建築の基本性能と、寿命に大きくかかわる。
中古住宅流通を活性化しようとすれば結局のところ、性能評価と税制に行き着く。さらには長寿命、高耐久、環境問題につながる。信用できなければ安心できない。安心できなければ買わない。買われなければ流通しない。これは当然の流れだ。
いま税制面と連動した信頼に足る性能評価の仕組みを作ろうとする動きが始まった。新築住宅でも中古住宅でも「防水」は単に雨漏りを防ぐだけでなく、建物の耐久性に直結する重点項目である。検討が始まったこの時点で「防水」の存在感をアピールすることは、単に防水業界のためだけではない。

ラウンドテーブルではこのほか、○建物評価の改善について、○新築・中古市場の現況、消費者の意識等に関して委員が指摘している。各事項を、議事録で見ることができる。
http://www.mlit.go.jp/common/001015590.pdf