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(旧 「防水屋台村」建設中)
新刊『ドナルド・キーン著作集』第6巻は「能・文楽・歌舞伎」
蟹とてっちりとタイガースがあれば大阪に近松は要らんのかい?橋本さん!

大阪駅コンテナ
大阪駅コンテナターミナルの金属屋根。繊細でも美しくもないが、これだけの規模の機能に徹した鉄の屋根。 やはり存在感がありますね。んん~いいですねえ。(写真は記事とは関係がありません)、


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紹介が遅くなり申し訳ありませんでした。ミュージックフォーラムの読者Aさんのお奨め記事です。
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デジタル朝日新聞3月20日。
文楽・歌舞伎、継ぐ強さ ドナルド・キーンさんに聞く




 日本文学者ドナルド・キーンの研究対象は文学にとどまらない。最新刊の『ドナルド・キーン著作集』第6巻は「能・文楽・歌舞伎」がテーマ。歌舞伎座の再開場を前に人気俳優の逝去が重なった歌舞伎、大阪で補助金見直しが問題となった文楽。揺れる古典芸能の世界は、キーンさんにどう映るのか。

 文楽に興味をもったのは戦後まもなく。博士論文が近松門左衛門の「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」だったという。

 「それまで文楽を一度も見たことがなく、文献と写真、そして自分の想像だけが頼りでした。日本の友人から送ってもらった資料には、観客は文楽を見ているうちにだんだん人形遣いが見えなくなると書かれていた。写真を見ただけの私には神話のように聞こえました。人形よりも大きく、かみしも姿の目立つ人間が見えなくなるなんて」

 「来日して、文楽を見て感激しました。はじめは意識していた人形遣いが見えなくなる。これは文楽のまじないでしょうか。しかも人形が動かずにただ話を聞いている場面の方があれこれ動いているより、より人間らしく見える。独特の面白さがあります」

 「歌舞伎俳優が亡くなると、みんな悲劇と感じる。もう二度とこういう人はいない、と。能や狂言は演目で選ぶが、歌舞伎は俳優を見に行きますから。私が一番打撃を受けたのは、女形芸を極めた中村歌右衛門が亡くなったときでした。歌右衛門はまだ次の人に継がれていませんが、どんな名跡もいずれ情熱にあふれる若い人が現れ、継がれてゆくでしょう。それが芸術の強さだと思っています」

 「政治家が狭量な目で文楽を見て、必要なお金を出さないのは、未来の人が許さないでしょう。売れるかどうかだけで芸術は続きません。近松門左衛門は大阪の人々のために書いていた。文楽は大阪の誇り。大阪の人が大阪の文化を否定するのはどうでしょうか」

 「日本の子どもたちはあまり近松を読まないようですが、海外ではよく読まれています。海外の読者は翻訳の現代語で読んでいます。日本はなぜか原文でなければいけないという風潮がありますが、それでは読めない。極端な例は『源氏物語』。学校で読むのは3ページほど。文法は学べても、なぜ世界有数の傑作なのかはわかりません。私は現代語訳で読むべきだと思います。どんな翻訳でも、現代語訳でも、読まないよりはいいでしょう