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(旧 「防水屋台村」建設中)
「屋根をしらべる2009」はとてもユーザーフレンドリー
凶暴化する台風で屋根が飛ばないように

yane を調べる
 

地球温暖化のせいか、台風が、もちろんハリケーンやサイクロンも年々凶暴化しています。
建物ごと飛んでしまうような時は、もう神様に祈るしかありませんが、でも屋根が飛んだり、壊れたりとしないために、瓦、金属屋根や防水の業界団体がそれぞれ、設計者や施工会社向けに、対策・施工マニュアル・ガイドラインなどを作っています。このうち、もっとも先行しているのが(社)日本金属屋根協会でしょう。http://www.kinzoku-yane.or.jp

同協会はこれまで「風と金属屋根」、「金属屋根の性能」を編集発行してきた。同時に各種の計算様式を提案し、金属屋根業者が自らが屋根の安全性や性能の確認などを行える体制を整えてきた。この中で風圧力の算定については建築基準法の改正により計算が複雑したしたことに対応して、2002年に「風圧力計算ソフト」を作成した。これに対して「他の計算計算様式についてもソフト化してほしい」という要望が多く寄せられたため、2004年の「屋根を調べる」の作成につながった。
CDROM「屋根を調べる」は発行以来、毎年改定を行ってきたが、この2009年版は「建築基準法の風力関連規定」の解説や「屋根ふき材の構造計算関係の資料」を追加したほか、全体の操作性を大きく向上させており、「とても使いやすくなった」と好評だそうだ。
CDの内容は次の通り
風圧力関連規定、風圧力算定ソフト、積雪荷重算定ソフト、屋根性能計算ソフト、屋根ふき材の構造計算、金属屋根の性能確認、工事管理報告者作成ソフト。

台風に強い瓦屋根の工法

平成12年建設省(当時)は全国の自治体ごとに「基準風速」を定め、大型台風下の強風でも瓦が飛ばされない工事を実施実施するよう指示した。この「基準風速」に従って安全な瓦屋根づくりの標準工法を示したのが「ガイドライン工法」である。ガイドライン工法については、http://www.yane.or.jp/gl/gl1.shtml  で見ることができる。また「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」は上のサイトでダウンロードできる。


防水層の風対策

瓦や金属屋根が基本的に勾配屋根であるのに対し「防水工事」の場合勾配屋根よりもフラットな屋根「陸屋根(ろくやね)」に施工されることが多い。それでも風の影響は大きく、各種防水工法の中でも、特にシート防水、その中でも機械固定工法は、過去に多くの台風被害を受けてきた。シート防水材のメーカー団体である合成高分子ルーフィング工業会(略称KRK)はホームページ  http://www.krkroof.net/qa/a15.html  の中で、次の様に紹介している。

KRKの専務理事でJWMAの事務局長を兼務する藤木氏によると、これまでシート防水に対する風の影響を研究してきたが、防水メーカー団体の連合会であるJWMAが設立されて以来、JWMAの事業として取り組むようになった。東京工業大学の田中享二教授の指導により、宮古島の試験場で実験を行ってきた。
その結果、従来の垂直方向の引き抜きの力だけでなく、横方向の力の重要性がはっきりしてきた。今後この対応が課題になる。昨年の建築学会でもこれらの成果を発表している。
又今後の課題としては
1.屋根に対してはさまざまな機能が求められ、近年は省エネの見地から、露出断熱防水のニーズが高い。このためーメーカーが独自の仕様で対応している。しかし国土交通省には新築に関してこの露出断熱防水の仕様が無い。この工法の評価が必要と考えている。
2.総プロの次のステップとして、建物の経年劣化を診断し、対策を立てるために、マンションの管理組合など、素人でも出来る診断基準つくりが進められている。 これにはビデオなどの画像も必要だろう。


シート防水の耐風圧性能--------------------------------------------------------------------------------
 平成12年6月1日施行の新建築基準法により、風荷重の計算方法が変更になりました。長年にわたる気象観測、また風洞実験などによって蓄積されたデーターにより、風が建築物に与える影響をより正確に把握されるようになり、建物形状、地域の状況など、詳細な条件設定が可能になり、より実状に即した計算方法に改正されました。

【主な改正点】
(1) 従来、全国一律に定められていた速度圧を、各地域における風速及び市街化の状況を考慮して算定される方法に改められました。
(2) 風力係数は、風洞実験の結果に基づくか建設大臣が定める値に改められる。
(3) 風圧力の単位を(Kgf/m2)から(N/m2)に改められました。

【風圧力の計算式】
 建築基準法施行令第82条の5の規程に基づき「屋根ふき材及び野外に面する帳壁の風圧に対する構造体力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件」(平成12年5月31日旧建築省告示第1458号)により算出します。
なお、同告示に基づき屋根ふき材に加わる風圧力の計算例を次に示します。

[風圧力N/m2:W]=[平均速度圧N/m2:q]×[ピーク風圧計数:Cf]
[平均速度圧]q=0.6Er2×V02  Er=平均風速の高さ方向の分布を表す係数
  V0=基準平均風速

Erは次式により算出します。
 HがZb以下の場合 Er=1.7(Zb/ZG)a
 HがZbを超える場合 Er=1.7(H/ZG)a
 Er、Zb、ZG、Hはそれぞれ次の数値を表します。
粗度区分 Zb(m) ZG(m) a
5 250 0.10
5 350 0.15
5 450 0.20
10 550 0.27

H:建物の高さと軒の高さとの平均(m)
[ピーク風力係数:Cf]=(屋根面のピーク外圧係数)-(屋根面のピーク内圧係数)

 陸屋根の場合、勾配(角度):θ≒0(正確には10度未満)のため、正のピーク外圧係数による計算は省略します。
 負のピーク外圧係数に対する閉鎖型の建築物のピーク内圧係数は0となります。
 また、負圧による影響以外に風の吹き込み対策が必要であり、シート結合部、雨仕舞部納まり、板状下地材の目地処理などの適切な処理、室内正圧を考慮した下地への接着(固定)強度の確保といった設計・材料・施工面からの検討が重要であり、メーカーの仕様を確認することが必要です。
 一般的な屋根で、建物高さ20m、地表面粗度区分、基準平均風速36mの場合の風圧力を下表に示します。
Er=0.912    Cf  Aの部位: 2.5
  Bの部位:-3.2
V0=36/s Cの部位:-4.3



(注): 平面の短辺長さとHの2倍の数値の内いずれか小さい値
(30を超えるときは、30とする。)(単位:m)
図 陸屋根面の部位位置 部位 風圧力(N/m2)
の部位 1,618
の部位 2,070
の部位 2,782



 シート防水工法は、主として接着工法と機械的固定工法がありますが、屋根のどの部位においても、上記風圧力の基準を満足できるように、接着力、固定力を決定する必要があります。

(1) 接着工法
   一般的に98,000N/m2(9.8N/cm2)以上の接着力があるため、どの部位においても十分に安全であります。
(2) 機械的固定工法
   固定金具の下地への固定強度(防水層の固定強度)を2,000N/箇所の場合、単位面積当たりの固定金具の必要量を計算すると次のようになります。

の部位  :1,618÷2,000=0.8(本/m2)
の部位  :2,070÷2,000=1.0(本/m2)
の部位  :2,782÷2,000=1.4(本/m2)


 KRK標準工法では、固定金具の必要量は1.1~2.8本/m2と規定していますが、上記計算例では約2倍の安全率になります。計算例以上の条件下では強度の出る固定金具を使用したり、固定金具の単位面積当たりの使用量を増やすなどして安全対策を施す必要があります。