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(旧 「防水屋台村」建設中)
新国立競技場に観客席のみの屋根を新提案
槇文彦グループより新国立競技場プロジェクトへの提言


左・原案 A案(キールアーチ構造)     右・代案 B案(観客席のみ屋根)



昨年来新国立競技場案に対して提言を行ってきた槇文彦グループは、5月29日、『低いキールアーチ構造がコスト高、長工期の原因である』として、JSCの現在案に対しコスト削減、工期内工事可能な対案を提言した。以下その提言である。

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『低いキールアーチ構造がコスト高、長工期の原因である』

(JSCの現在案に対しコスト削減、工期内工事可能な対案を提言する)
平成27年5月29日 槇グループ

提言
現在JSCが推し進めようとしている案(A案)の問題点については、私たちは昨年来、具体的な問題点を指摘してきたが、JOC、JSC、文科省他関係省庁、東京都、自民党等関係者内部においても現実のものとなって浮かび上がってきた。この問題点の最も大きなものはコスト高と工期の長さである。
この問題を引き起こす原因は原案(A案)の低いキールアーチ構造にあり、この課題を解決する方策として、低いキールトラス構造をやめ、代案(B案)として過去のオリンピック主会場で広くもちいられている構造形式と客席のみを覆う屋根形式を提言する。

現状のA案で進める限り、あらゆる面(建設費、維持費、収入の市場性、屋根開閉装置や芝生の育成に必要な技術的保証、景観・・・)において代案(B案)より不利である。この時点で、再検討する費用は、得られる利益を補って余りあると考えられる。
これにより、オリンピック及びラグビーワールドカップ等のスポーツに関する要求条件を満足し、予算内に納め、予定通りの工期で完成することが可能である。

代案B案は以下の通り

① 屋根は観客席用に限定して覆う。従って屋根開閉装置、芝生育成の装置、閉鎖開口部等は不要であり、それらを支えていた長辺方向のキールトラスは不要となる。観客席用の天蓋は客席最上部からのキャンティレバー方式等、今後の検討による。
これによるコスト削減は約1500億円内外が期待できる。

② 恒久観客席6万人席以内の規模、2万人席は仮設とし、オリンピック開催時は8万人とする(仮設席の位置はいくつかの選択肢があるので今後の検討による)。

③ この2点の変更を行うことにより、全体で約1000億円内外で42ヶ月程度の工期で建設が可能となる。

④ 但し、これまでの国立競技場の使用例を参考とし、様々なイベントにより対応しやすいデザインとする。

屋内スポーツサービス施設の充実、将来に寄与する子どもスポーツセンターなどの案も新たな収入源として一つの可能性となる。

⑤ 現行案は大幅な変更となるが、設計体制については、デザイン監修者以外の設計・施工体制は継続して設計、建設にあたることが可能である。(JSCとデザイン監修者との契約変更については、国民の納得のいく方法で行う)。

以上


以下に原案(A案)と代案(B案)の比較検討の結果を簡略化して示します。(省略)



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「開閉式遮音装置」という名の屋根に降った雨はどうなる?

 独立行政法人日本スポーツ振興センター(河野一郎理事長)が、槇グループからの質問に対して、平成 26 年 12 月 19 日 に行った回答の中に屋根の排水能力に関して、言及している部分があるので、それを紹介します。
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開閉式遮音装置の雨水の排水能力については、新宿区作成の洪水ハザードマップのデータ(時間大降雨強度 114mm/h)を上回る 120mm/h の 1.5 倍の降雨量 180mm/h を前提として、雨水排水設備を設計しています。また、雨水の流れのシミュレーションを行ったところ、ご指摘のように雨水が中央に集まり長辺に向かって流れていくわけではなく、南北のクロスタイの中央部に向けて流れていく形状となっております。折り畳みに関しては、A種膜等に比べると屈曲性が高いため、大きな悪影響はないと考えております。<4C種膜の止水制と豪雨対策>
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