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(旧 「防水屋台村」建設中)
早稲田大学・吉田享二教授[故)と防水研究 RN153読み物
吉田享ニ(よしだきょうじ)

吉田享ニ 防水層写真P6251051
60年前の建築学会会長が撮影した屋上防水層劣化の写真


シリーズ「防水の博士たち」では防水がテーマではない学位論文であっても、防水に深くかかわった方、また本人の意識とはかかわりなく防水業界に対して強い影響力を持った方々の博士論文も掲載対象としています。 今回は吉田享ニ氏。 建築材料学を専門とする吉田享ニ氏の学位論文は「建築物の耐久性に関する研究」です。直接防水をテーマとしたものではありませんが、第3篇「建築物に及ぼす材料容積変化の影響」の中で、「アスファルト並にルーフィング」「防水押へ」の項を設けており、屋上防水層を切断して実験を行った結果を記しています。

防水研究の先駆者である波多野一郎の博士論文は先に紹介しましたが、↓
http://www.roof-net.jp/index.php?cmd=read&page=%E9%98%B2%E6%B0%B4%E3%81%AE%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%81%9F%E3%81%A1&word=%E5%90%89%E7%94%B0%E4%BA%AB%E4%BA%8C#j33e390c

その中で波多野氏は吉田氏について次のように書いています。

JISA6001(1950)「アスハルトフェルト・アスハルトルーフィングおよび砂付きルーフィング」が制定されて品質の向上に寄与した。この規格は吉田享二教授を委員長とする建築用アスハルト類似品専門委員会が審議を行ったものであるが、規格案作成のための資料の調査を吉田教授より筆者が個人的に依頼され、いくつかの資料を提出した。

また鳥取環境大学 浅川 滋男 教授によると

吉田享二氏は明治20年(1887)に兵庫県但馬生まれ。明治45年(1912)東京帝国大学工学部建築学科卒業。同時に早稲田大学建築学科講師。助教授を経て大正5年(1916)教授。専門は「建築材料学」であったが、大正14年(1925)から「都市計画」の講義を担当するようになる。東大や京大などに先駆け、大正11年から早稲田では「都市計画」の講義が開設された。当初、内務省官僚の笠原敏郎が講義を担当していたが、翌年におこった関東大震災の後、笠原は復興局へ異動したため、吉田享二が受け継いだ。

とあります。詳細は
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-962.html
をご覧ください。
建築家としての代表的作品は「日本民藝館本館」(登録文化財/昭和11年[1936])、竣工東京工業試験所(1922)、小野田セメント本社(1917-26)、第一菅原ビル(1934)などです。

表紙P6251031
論文は3篇からなっています。建築物に及ぼす①凍害・②摩耗衝破・③材料容積変化の影響。

吉田享二

 タイトル:「建築物ノ耐久性ニ関スル研究」
授与大学:早稲田大学
授与年月日:昭和7年7月13日。工学博士

 

前書き1   P6251033
序論は「近代科学を基礎として造られる現代の建築は、計測上単に其の表現する形態に止まらず、其の材料・構造・施工並に保守に関して、詳細部分に至る迄、学術的研究と実地経験とを併せ考察するの必要がある」という書き出しで始まる。81年前に示されたのこの指摘は、現在の建築にそのままあてはまる。


前書き2  P6251034
「本研究に際し、佐藤功一博士、内藤多仲博士のとられたる直接、間接の厚意と指導とを感謝す。
実験に際し、終始援助の労をとれる元木秀一君、高木暢太郎君、及び加藤清作君を初め、其他実験室内、田中助手初め学生諸氏の、時に徹宵実験等あり、茲に深く謝さねばならぬ。


目次
第3篇 目次1  P6251039

目次2  P6251040


「アスファルト並にルーフィング」 1  P6251043
吉田氏は、「アスファルトに80時間連続して水銀灯に依り紫外線を与へたるも認むべき変化を見なかった」として、劣化要因としては、「紫外線よりもむしろ温度変化の方が大である」としている。


なお吉田享ニ氏については、「ルーフネット」の以下の記事を参照ください。
「吉田享二の防水談義」~60年前の建築学会会長がこれほど防水を重視していたとは…。
http://www.roof-net.jp/index.php?cmd=read&page=60%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AE%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%81%8C%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BB%E3%81%A9%E9%98%B2%E6%B0%B4%E3%82%92%E9%87%8D%E8%A6%96%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%AF%E2%80%A6%E3%80%82&word=%E5%90%89%E7%94%B0%E4%BA%AB%E4%BA%8C

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防水の歴史を探る*「ルーフネット」は日本の世界の防水に関する記録の初見を求めて日本書紀や聖書などを調べています。「日本の防水歴史研究会

茅葺屋根修繕  世田谷で「下げ葺」工事中
次太夫堀公園民家園 旧安藤家 主屋で始まる
7月20日には茅葺ワークショップも

P2013_0621_003612.jpg

東京・世田谷区の指定有形文化財「旧安藤家」主屋で、「下げ葺」という工法で茅葺屋根の補修工事がはじまった。

次大夫堀は、江戸の初期、小泉次大夫の指導で開削された農業用水(六郷用水)の別名。一時、喜多見あたりの用水は、半ば埋められごみ捨て場状態だったが、野川から取水して昔ながらのきれいな流れが復元された。本物の水田をつくり、そこに江戸時代後期の古民家と土蔵、納屋、消防小屋などを移築復元したのが次太夫堀民家園。

昭和63年11月に開園した次大夫堀公園民家園は名主屋敷(主屋1棟、土蔵2棟)、民家2棟、表門、消防小屋などを復元し、公園内の次大夫堀や水田とあわせて、江戸時代後期から明治時代初期にかけての農村風景を再現している。

「生きている古民家」をテーマに、囲炉裏には毎日火がたかれ、家の中や軒下には民具が置かれて、主屋内にも自由に入って、民具などに触れることもできる。また、農村に伝わる行事等も行っており、昔ながらの生活や風習を体験することができる。

茅葺き3回目リードの写真 P3100373
これまで4回行われたかやぶき体験教室の様子。


7月20日の 茅葺ワークショップ は10時から15時30分まで
問い合合せは
電話番号03-3417-9511 世田谷区教育委員会事務局障害学習課

今回の茅葺ワークショップの講師は同、民家園で茅葺き工事を行っている群馬県・沼田の茅葺き職人・五十嵐孝治さん。今回の工事の棟梁だ。


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