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(旧 「防水屋台村」建設中)
モーセを救った防水材。同様の籠は日本にはないのか?
アスファルトと漆による「籃胎・らんたい」

モーセの籠
モーセ川に流される(出エジプト記2-3) ギュスターフ・ドレ 聖書画集より

パピルスの籠(かご)を用意して、アスファルトとピッチで防水し、その中に男の子を入れ、ナイル河畔の葦(あし)の茂みの間に置いた。こうしてモーセは防水材によって救われた。モーセを入れたこの籠とノアの巨大な方舟は同じことばで表わされているという。
旧約聖書の中にアスファルトは3か所に記述があり、いずれも防水と深くかかわる。もちろんこれらは天然アスファルトで、ノアの方舟の防水、バベルの塔の接着・シーリング、ナイル川に流されたモーセの籠の防水に使用された、とある。これらは単なる「お話」ではなく。紀元前7000年頃のメソポタミアの遺跡からアスファルト利用の痕跡が多く出土している。

日本でも約5000年前、縄文時代初期にはアスファルトが矢じりの接着、土器の補修に用いられ、全国的に出土している。東西同じような使い方をしているのだが、西側では聖書やギルガメッシュ叙事詩など文献に「アスファルトを防水として使用した」という記載があるのだが、残念ながら日本では日本書紀に「天智天皇に燃える水を献上した、とあるだけだ。矢じりや接着の例は見つかるのだが、ノアの方舟やモーセの籠船のような防水用途は見つからない。やっと日本石油100年史の中で見つけたのがこれ。

日本考古学概説

[日本考古学概説」小林幸雄著。東京創元社昭和26年刊。


いま「籃胎(らんたい)」といえば
堅くて伸びの良い真竹を一定の厚みにし、種々の形に手編みした竹に漆で塗り固め、研磨した軽くて便利な実用漆器である。歴史的・考古学手に見ると竹とは限らない。つる性植物を編んで漆で固める。もっといえば漆とも限らないのである、天然アスファルトも利用された。「らんたい」のはまさにモーセの籠の機能と性能を持っている。


らんたいほか
このうち籃胎(らんたい)漆器(図番号3)は、下地にアスファルトをうすく塗って、その上に朱漆で仕上げたものであり、・・・(同書P54L8)。

土瀝青(アスファルトとルビあり)の使用も、一方には石器・甲角器を木柄に固定する膠着剤として、縄文式時代によく知られていたものである。(L12)



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防水の歴史を探る*「ルーフネット」は日本の世界の防水に関する記録の初見を求めて日本書紀や聖書などを調べています。「日本防水の歴史研究会