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(旧 「防水屋台村」建設中)
時代の精神を描いた小堀鞆音
小堀桂一郎氏(小堀鞆音嫡孫)の講演会(速報)

「日本の防水」歴史研究会とのQ&A


講演会看板

看板
展示の大看板のど真ん中に、「燃土燃水献上図」



小堀桂一郎講演
小堀桂一郎氏(東京大学名誉教授・小堀鞆音嫡孫)による特別講演会「小堀鞆音と歴史畫の問題」

講演後の質疑応答で、お聞きしました!

質問 ルーフネット森田:
幾つかの新聞で、「初公開」として紹介されていた「燃土燃水献上図」についてお聞きします。この画は私の関係する業界の起源にかかわる画なものですから、非常に興味をもって拝見しました。
解説には、「日本書紀の中にある一節をテーマにしており、石油会社から依頼された画である」、となっていました。日本書紀に書かれているのは「越の国から、燃える水と燃える土が献上された」というほんの一節です。たったこれだけの情報から、どうして、ああいう全体の構図だとか人物表現が出てきたのか。有職故実に、とことんこだわった小堀鞆音の作品だけに、すごく興味があります。
それから、この画は日本石油から依頼されたわけですが、当時、歴史画と言うものは、依頼されて画いたものなのでしょうかそれとも、自発的に画いたものなのでしょうか。依頼される場合、テーマだけなのでしょうか、それとも具体的にイメージを、たとえば「こういう事をこんなふうに画いてくれ」と言われて、画かれたことが多かったのかどうか。
それから、初めての(展示となる)画ですから、この画から、どういうことが読み取れるのかなあと。「小堀鞆音が画いたのは時代の精神である」という、先生(小堀桂一郎氏)の今のお話を聞きまして、この画から何が読み取れるか、お尋ねしたいと思いました。

回答 小堀桂一郎氏:
あの絵が成立しました切っ掛けについては私も存知ません。つまり全くの注文の絵であるのか、それとも石油会社の方が、こういう題材の絵を探しているという事を聞きつけて、鞆音が「それなら、俺に描けるよ」と言ったのかどうか、一切判らない絵です。ただ、先ほども国学の学びのことについてお話しましたけれど、確かに鞆音は歴史書は、実によく揃えて持っています。古事記、日本書紀を始めとしてですね。これは、国学院大学で「小堀鞆音文庫」になっております。鞆音の資料集ですね。今、マイクロフィルムになっていますそれを見ましても、本当に歴史をよく勉強した人だなという事がわかります。だから、先に注文があったかどうかは分かりませんけれども、もし、注文があったとしたら、「ああ、それならば、あの題材を使えば良いのだ」という事は、すぐ、ぴんときたのじゃないかと思います。
かつ、端的に面白い図柄でございますね。あのアスファルトが発見され、燃える水という石油が発見されて、そして、それが献上になる。それを村の爺さんと子供が見送っていると。いかにも、庶民レベルで、これは朝廷に献上する、珍しい「この国の物産」として庶民レベルで話題になったのだという事も、そこに暗示している訳ですね。そういう意味で、私は、これも、やはり時代の精神、あるいは、産業精神と言っても良いかも知れませんけれど、そういう物の表現になっていると思います。残念ながら、そもそもの切っ掛けがどちらにあったのかは、私は存じません。
kobori 見送り


展示室入口
展示室入口に飾られた「燃土燃水献上図」
佐野美正面



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防水の歴史を探る*「ルーフネット」は日本の世界の防水に関する記録の初見を求めて日本書紀や聖書などを調べています。「日本防水の歴史研究会